春になると思わずしらず庭いじりをやりたくなるもの。土をいじったり、肥料や種や苗を用意したりで浮き浮きしてしまいます。この絵本は、うっかり忘れられていた植木鉢のポットくんが主人公です。
ミミズくんやジョウロさんやシャベルじいさんの協力で、これもまた忘れられていたヒヤシンスの球根がポットくんにすっぽりおさまり、見事な花を咲かせるまでのお話です。植物の生長には光と土と水が欠かせません。
ポットくんのおしりには、なんで穴があいているのか? 土がどぼどぼ落ち出ないように小石でふさいでいるという私たちには常識のことをポットくんと共に幼い子どもが理解できるように工夫してあります。
ミミズくんの役割は栄養豊かな土をつくること。ジョウロさんは水を。シャベルさんは土に空気をまぜこむこと……など、あたりまえのことが、どんなに植物の生長にとって大切かが理解できるのです。
このヒヤシンスのように少々時期が遅くなっても、みんなで力をあわせると花を咲かせることができる生物界の力強さに子どもたちは共感するにちがいありません
。
もちろん庭がなくたって、ポットくんひとつあれば、だれでも花を咲かせられます。
|